「子の看護休暇」とは、国が会社に対して義務づけている育児のための休暇制度で、子どもの病気やケガの看護などを行うための休暇になります。
育児・介護休業法第16条の2には、
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において五労働日(その養育する小学校就学の始期に達するまでの子が二人以上の場合にあっては、十労働日)を限度として、負傷し、若しくは疾病にかかった当該子の世話又は疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該子の世話を行うための休暇(以下「子の看護休暇」という。)を取得することができる。
と定められております。
小学校に上がる前までの子どもを養育している労働者は、会社に申し出ることにより「子の看護休暇」を取得することができます。
ただし、日雇い労働者は除きます。また、会社と労働者代表などが労使協定を締結することにより、入社後半年未満の労働者や週の所定労働日数が2日以下の労働者はこの制度の対象外にすることができます。
「子の看護休暇」は、子どもの病気やケガの看病・世話だけでなく、予防接種や健康診断などのために取得することもできます。
「子の看護休暇」は、原則、子ども1人につき1年度あたり5日まで取得することができ、子どもが2人以上の場合は、1年度あたり最大10日まで取得することができます。
年度の起算日は、就業規則などで定めることもできますし、定めていなければ4月1日になります(育児・介護休業法第16条の2第4項)。
子どもの急な発熱や体調不良などの場合には、当日に申し出ることもでき、1時間単位で取得することもできます。
休暇中の賃金は任意で、有給とすることもできますし、無給とすることもできます。
事業主はこの労働者の申し出に対して、原則、拒むことができません(育児・介護休業法第16条の3第1項)。
注意すべきなのは、年次有給休暇のように時季を変更することができません。繁忙期や仕事上重要な日でも事業主は時季をずらすことができません。
また、「子の看護休暇」を取得したことによる不利益な取扱いは禁止されています(育児・介護休業法第16条の4)。
年次有給休暇は労働者の心身の疲労を回復させ、ゆとりある生活を保障するために与えられる休暇ですので、年次有給休暇とは別に「子の看護休暇」を与えるようにすることが望ましいです。