雇用契約の内容を定める際は、その労働者の仕事と生活のバランスに配慮する必要があります。
労働契約法第3条3項(労働契約の原則 仕事と生活の調和への配慮の原則)には、
労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
と定められております。
経営に必要なものは、ヒト、モノ、カネといわれております。ただこのヒトという経営資源は無限にあるわけではなく、少なくともこの日本においては今後急速に減少していくことが確実視されております。
にもかかわらず労働者のワークライフバランスを考えずに、会社の都合ばかりをしいて長時間残業をさせたり、コスト削減のために低賃金で働かせたり、雇用調整のために雇用期間を区切ったりなどをしてしまいますと、どうなるでしょうか。
労働者の時間もお金もなくなり、将来、現役世代の数が先細りしてしまい、人の担い手がいなくなってしまいます。そうなると国際競争には負け、持続可能な社会や企業を築くどころか、国も企業も立ち行かなくなってしまいます。
ワークライフバランスは、日本にあるヒトという経営資源が減少していくのを防ぐための取組みであるとお考えいただけたらと思います。
ワークライフバランスの具体的な方策として、国は年次有給休暇や育児休業の取得率向上、賃上げなどを掲げていますが、一番大切なことは、会社の都合ばかりを押しつけ過ぎないこと、労働者の都合も個別に聞いて配慮してあげることだと考えます。