雇用契約というのは、会社と労働者が合意をすることによって締結されたものなので、当然、その内容については遵守されるべきものなのですが、ただ単に双方が権利を行使し、義務を履行すればいいというものではありません。
民法第1条2項(基本原則)には、
権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
と定められており、また労働契約法第3条4項(労働契約の原則・信義誠実の原則)にも、
労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。
と定められているように、契約した内容(約束したこと)を遵守するとともに、双方が信義に従い誠実に権利を行使し義務を履行しなければなりません。
いま、人に関する問題、労使トラブルが複雑化しており、それに対応すべくさまざまな労働法令が派生しておりますが、そもそも、双方が信義に従い誠実に行っていれば、パワハラやセクハラ、不当解雇、サービス残業、勤務態度不良などの労使トラブルは起こりえません。
起こったとしても、最小限にとどまるはずです。
労使トラブルが多い会社、労働者は、基本に立ち返る必要があります。
この労働契約の原則・信義誠実の原則は、雇用契約のキホンのキになります。