労働者名簿とは、労働者の氏名や生年月日、住所などを記載した書類のことで、人を雇ったら、その労働者の労働者名簿を作成し、保管しなければなりません。
● 労働者名簿の記載事項
● 労働者名簿の保存
● 罰則
● さいごに
労働者名簿の記載事項
使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。
と定められており、また、労働基準法施行規則第53条第1項には、
法第百七条第一項の労働者名簿(様式第十九号)に記入しなければならない事項は、同条同項に規定するもののほか、次に掲げるものとする。
一 性別
二 住所
三 従事する業務の種類
四 雇入の年月日
五 退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)
六 死亡の年月日及びその原因
と定められており、書式は任意ですが、記載事項は決まっており、各事業所ごとに日雇い労働者以外のすべての労働者の労働者名簿を作成・保管しなければなりません。
・氏名
・生年月日
・履歴
・性別
・住所
・従事する業務の種類
・雇入の年月日
・退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)
・死亡の年月日及びその原因
「履歴」は、どのような履歴なのかは定められてないので、その労働者のこれまでの職歴でも入社後の人事異動履歴などでも結構です。
常時使用する労働者が30人未満の事業所でしたら、「従事する業務の種類」の記載は不要です(同条第2項)。
記載内容に変更があった場合は、遅滞なく訂正しなければなりません(労働基準法第107条第2項)。
労働者名簿の保存
労働者名簿は、その労働者の死亡、退職、又は解雇の日から起算して5年間保存する必要があります(労働基準法第109条・労働基準法施行規則第56条第1項第1号)。
次の要件を満たせば、労働者名簿を電子データで保存しておくことも可能です。
・法令で定められた要件を具備し、かつそれを画面上に表示し印字することができること
・労働基準監督官の臨検時等、直ちに必要事項が明らかにされ、提出し得るシステムとなっていること
・誤って消去されないこと
・長期にわたって保存できること等
罰則
労働者名簿を作成していなかったり、保存していなかった場合、「30万円以下の罰金」に処される可能性があります。
さいごに
労働者名簿、賃金台帳、出勤簿は、法定三帳簿と呼ばれており、法律で作成が義務づけられています。
これらの法律を根拠に、労働基準監督署やハローワーク、年金事務所などの調査や社会保険の手続きなどの際に、法定三帳簿の提出を求められたりします。
労働者名簿は、最低限の法定記載事項を備えた、シンプルで、使いやすいものが管理しやすいと思います。また、半永久的に保存できる電子データの方がいいと思います。